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ぶらんこ乗り [本]


ぶらんこ乗り

ぶらんこ乗り

  • 作者: いしい しんじ
  • 出版社/メーカー: 理論社
  • 発売日: 2000/12/01
  • メディア: 単行本

 三つ年下の弟はとても賢い。そして人とは違う感性を持っていた。
 子供の頃もらったノートに記された字はきれいで,そこに記された弟の物語は,どこか,超越した不思議な感性を持っている。
 優れているが,それを理解するのはむずかしい。弟はどこか孤独だったのではないか。
 そんな弟が,学校のぶらんこから落ちる事故をきっかけに言葉を失う。いや声を失ったのではなく,とても恐ろしい,おぞましい声になってしまった。それで,何も話さなくなった。
 高い木の上に作られたぶらんこに乗って,弟はたくさんの物語を書いた。それを私は読んで……。

 物語に登場する「弟」も独自の感性をもっているが,もしかしたらいしいしんじさんの感性にもつながるものなのかなあと感じた。
 ちょいちょい,どこか遠いところに飛ばされてしまいそうな,弟の悲しみと,それを見守る姉としての私の悲しみ。ものすごく透明な,ある意味超越した感覚なのかもしれないなあと思った。


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一球入魂! 一音入魂! [本]


一球入魂! 一音入魂!

一球入魂! 一音入魂!

  • 作者: オザワ部長
  • 出版社/メーカー: 学研プラス
  • 発売日: 2018/07/24
  • メディア: 単行本

 吹奏楽作家のオザワ部長による,野球部応援にスポットを当てたドキュメンタリー。

 吹奏楽部の活動は,全国を目指す吹奏楽コンクールやマーチングコンテスト,アンサンブルコンテストもあるが,夏の高校野球応援も大切な行事である。

 この本にものっている大阪桐蔭高校は,最新の応援曲を自分たちで作っているし,学校によっては魔曲だとか神曲だとか呼ばれるものもある。ある意味,自分たちはメインでない,野球部が主役ではあるが,その活動に熱心に取り組んでいる学校,高校生たちの努力や思いがとても強く感じられた。 

・花咲徳栄高等学校
・常総学院高等学校
・大阪桐蔭高等学校
・作新学院高等学校
・習志野市立習志野高等学校
・東邦高等学校
・横浜高等学校
・東海大菅生高等学校

 それぞれ野球の強豪校で,吹奏楽部やマーチングバンド部も強豪のところが多い。

 個人的には,常総学院のセナールの話が心に残った。
 常総学院はコンクールメンバーと野球応援メンバーははっきりと別れていて,3年で唯一コンクールメンバーにならなかったセナールが,悔しさや悲しみを乗り越えて前向きに野球応援のリーダーとして頑張る,いい話だった。青春だねえ。

 たくさんの高校に足を運び,吹奏楽部員の生の声を聞くオザワ部長の取材力というか,高校生とのコミュ力には脱帽。


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JR30年物語 分割民営化からの軌跡 [本]


JR30年物語 分割民営化からの軌跡 (旅鉄BOOKS 003)

JR30年物語 分割民営化からの軌跡 (旅鉄BOOKS 003)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 天夢人
  • 発売日: 2017/12/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 国鉄が分割民営化され,JRが発足したのが1987年4月1日。
 2017年で民営化から30年が経つ。その間,何が消え,何が生まれていったのかを記した本。

 赤字の続く国鉄が民営化され,JR各社に別れて新しい体制になったのが1987年。
 JRがたどってきた歴史を細かく記した本。

 0系から始まった新幹線の様々な車種。
 JR各社になってから生まれた列車。

 また消えていったブルートレインと,JR九州のななつ星から始まった豪華クルーズトレイン。

 時代の流れもあるし,経営の合理化を測ったことで消えていったものもあるが,JR各社がこの30年で企画し生まれてきたものが本当にたくさんあるのだと感じた。

 様々な整備新幹線も,豪華クルーズトレインもJR化してから生まれ,身近なところでは,SuicaなどのICカードの普及,上野東京ラインなどにあるような,首都圏を直通する電車があって,利便性が図られている。
 始発駅の風情とは縁遠くなってしまったのかもしれないけれど,この30年の中で便利になったことや,快適に利用できる電車が増えたのだと感じた。


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