とうきょうの電車大百科 増補改訂版 [児童書]
首都圏を走る様々な電車(一部機関車)がオールカラーで紹介されています。
首都圏の電車は,日に日に新しくなっているので,このシリーズは何度か改訂されている模様。
今回紹介するのは,2022年10月発行の増補改訂版です。
JR東日本,関東の大手私鉄,また貨物列車やSL列車,都電荒川線のような路面電車,モノレールまで,おおよそ「電車」とくくられるものはカラー写真で紹介。
「旅と鉄道」編集部が作っているとあり,電車の写真がとても綺麗で見やすいです。
また,目立つリード文の他に,それぞれの写真により細かい説明があって,小さい子は大きい文字だけを読めばいいし,ある程度自分で本が読めるようになった子は自分で解説文まで読めば,さらに電車に詳しくなれる本です。
子ども向けではありますが,鉄道の知識や情報に関してはそれなりに盛り込んであるので,鉄道エントリー層にも良いかもしれません。
私ぐらいのライトな電車好きが読むにも,非常にわかりやすくて読みやすかったです。
トコトコ登山電車 [児童書]
今回は図書館で借りた1985年初版の,児童向けの箱根登山鉄道の本を紹介します。
子どもにもわかりやすく,箱根登山鉄道が紹介されています……という本なのですが,個人的に,1985年当時の箱根登山鉄道が見られるのがものすごく嬉しいのです。
現在は引退してしまったモハ1型の101号車,102号車,103,107,モハ2形109号車~112号車など,いわゆる100形電車がずらりとならんでいます。
スイッチバックの写真もこの100形電車がたくさん出てきています。
また,現在は,小田原~箱根湯本は軌間が1067mmの小田急の車両しか走っていないんですけれど,この本が出たときには1345mmの箱根登山鉄道の車両も走っていたため,小田原~箱根湯本間がすべて三線軌条だったのですね。
また,宮ノ下駅に通ってくる一人駅長のこととか読んでいてその当時の状況を見るとほっこりします。
その時代の箱根登山鉄道に乗ったことはないのですが,載っている写真をみて,なんだか懐かしくなるような本でした。
パディントンのクリスマス [児童書]
「パディントンの本」シリーズの2冊め。
小学校中級以上と本にありますが,小3~4くらいのギャングエイジの子たちが読んだら,結構重なるところがあるのではないかと思います。
イギリス,ロンドン,ウィンザーガーデン二十二番地。
ペルーからやってきた小さいくまのパディントンが,ブラウンさん一家と暮らすようになりました。
この「パディントンのクリスマス」では,クリスマス前の冬の物語。
家族写真を取ったり,探偵になったり,大きなデパートにプレゼントを買いに行ったり。
そしてクリスマスの日の贈り物をしたり。
なにかあるごとに,パディントンのまわりには,事件が起こるけれど。
それでもパディントンはみんなに愛されています。
顔がマーマレードでべたべたになっても,何があっても愛らしいパディントン。
悪気はまったくないのに,頑張っているのに何故か事件が起こってしまう。
それをブラウンさん一家は温かく受け止めている。
パディントンのことがみんな大好きだというのがわかります。
パディントンが表面的にやんちゃないたずら坊主に見えても,根っこはだれか周りの人への思いやりがあるんだというのが,共感できるような気がします。
くまのパディントン [児童書]
「くまのパディントン」シリーズの第1作目。
ロンドン、パディントン駅のホーム。ブラウンさんと奥さんは、スーツケースの上に座り込んでいた小さいクマを見つける。
ブラウンさんはペルーからの密航者だというそのクマにパディントンと名前をつけ、家に連れて帰る。
ブラウンさん夫妻、娘のジュディ、息子のジョナサン、お手伝いのバードさんに迎えられ、ブラウン家での暮らしが始まる。
礼儀正しいけれど、パディントンが興味を持ったことを始めると必ず何かのトラブルが起こってしまう……。だけど、なぜか憎めない性格で。
子供たちはパディントンのなかに自分を見いだすのだろうなと思います。大真面目なのだけど、あまり考えなしに行動し、やらかしてしまうパディントンに、笑ったり、共感したり。
子どもたちがパディントンに自分自身を投影して読めるからこそ、今までに名作として残ってきたのではないかと思います。
インスタントラーメン誕生物語 幸せの食品インスタントラーメンの生みの親・安藤百福 [児童書]
インスタントラーメン誕生物語―幸せの食品インスタントラーメンの生みの親・安藤百福 (PHP愛と希望のノンフィクション)
- 作者: 中尾 明
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1998/07
- メディア: 単行本
「PHP愛と希望のノンフィクション」シリーズの1冊。日清食品のチキンラーメンとカップヌードルを生んだ安藤百福さんの伝記。
台湾で生まれ、商家の子どもとして祖父に厳しく育てられたこと。
戦中,戦後の苦しい時期をアイデアと人並み外れた努力で乗り越えてきたこと。
理事長として名前を貸しただけの信用組合が抱えた負債を背負う羽目になリ,すべての財産を失ったこと。
戦後の混乱の時期にラーメンが人々の心に希望を与えてきたのを思い出し,自身で今までにないラーメンを作ろうとしたこと。
安藤百福さんの生きてきたどの時期にも,人一倍強い探究心を持って事業を成し遂げてきたことを改めて知った。
また,得た利益を自分だけのものにするのでなく,食品業界のため,会社で働く人々のため,スポーツなどを通じた社会全般のために還元してきている。
阪神大震災のときには三十万食もの即席麺を,「チキンラーメン号」というキッチンカーで被災者の人々に配った。人々のためになることをする安藤百福さんの信念を知ることができた。
2018年10月からNHKの朝ドラで,安藤百福さん,奥さんの仁子さんをモデルにした「まんぷく」が放送されている。伝記を読んでみて,こういうことだったのかと改めて気づくこともあった。
インスタントラーメンを発明した実業家 安藤百福 [児童書]
学習漫画 世界の伝記 NEXT 安藤百福 インスタントラーメンを発明した実業家
- 作者:
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/07/05
- メディア: 単行本
集英社版・学習漫画 世界の伝記NEXTの中の一冊。
インスタントラーメンで世界的にも有名な日清の創業者、安藤百福さんの伝記。漫画なので小学生中学年くらいからなら読めそうです。
朝ドラ「まんぷく」のモデルになった方ですが本当に泉大津で製塩していたんだとか、アイデアを形にするために、試行錯誤を繰り返していたのだなと感じました。
馴染みのあるカップラーメンがこのように生まれてきたのだなあと興味深いです。
小学生向けの伝記漫画の宿命というか、一抹のお説教臭さはあるのですが、安藤百福さんはアイデアもさることながら努力の人なんだなあと感じました。
円周率の謎を追う 江戸の天才数学者・関孝和の挑戦 [児童書]
2017年の青少年読書感想文全国コンクールの中学生の課題図書にもなっていた本。
関孝和が、日本独自の数学、和算にのめり込み、人生のなかで円周率の正確な値を求めようと謎に挑んだ人生。
武家の次男坊に生まれたが、江戸時代の数学書「塵劫記」をきっかけに武芸よりも数学に興味を持った孝和。難しい問題が解けたときの喜びを味わっている。
和算を高め、西洋の数学にも引けをとらない和算の発展に貢献した。
ともに謎に挑んだライバルや、それを支えた人。数学に傾倒していくことを、良しと思っていなかった兄。
そんな、侍としてははみ出しものの孝和が、無限数である円周率に魅せられた。その当時は、およそ3.16と言われていたが、それに疑問を持ち、様々な数学の書物にあたり、自分でも計算の方法を研究したりした。
関孝和の著した「微発算法」や弟子たちの残した書物などで、彼らの和算が世界のなかでもとりわけ優れているものだと言われている。
本を読む限り、何よりも数学が好きで、ずっと数学を続けてきた方である。
好きこそ物の上手なれとはいうが、現代まで、その名が伝えられているというのはすごい。
、中学生の課題図書だがなれた子なら小学校高学年でも読めそうです。
ぼくは、チューズデー ~介助犬チューズデーのいちにち~ [児童書]
読み聞かせるなら小学校中学年くらい。約7分20秒。
介助犬チューズデーは、いつもルイスと一緒にいる。
ルイスは体の不自由なひとを介助する犬。退役軍人であるルイスは戦争で大きな怪我を負い、PTSDでもある。そのルイスを支え、心の拠り所となっているチューズデー。
介助だけでなくルイスにとって欠かせないパートナーとなっている。
盲導犬の働きは知っていたが、このような介助犬については初めて知った。
人のために働く犬が、人間にとってどれだけ大切かが分かった。
子どもたちにもぜひ読んでやりたいと思う。
ぼくの家は「世界遺産」 [児童書]
写真家の小松義男さんが,世界遺産となった家をめぐり,それについて書かれています。
家を巡っての旅行記といったところです。
紹介されている世界の家は,
・スロヴェニア,楕円形の家
・ベネズエラ,ヤノマミ族の何家族もが集団で生活する大きな家
・ベネズエラ,ワラオ族の壁のない家
・ネパール,ミティラー地方の壁絵がある家
・ナイジェリア,泥の厚い壁の家
・インドネシア,スラウェシ島の曲がった木の柱の家
・アメリカ先住民の移動する家
・アルジェリア,ムサブの谷の家
・ルーマニア,マラムレシュ地方の屋根に目ともいえそうな煙突穴のある家
・アメリカ,アリゾナ州の藁の家
それぞれ,とても個性的な家でした。自分の身の回りにある日本のありがちな住宅とは一線を画した,独特の家です。
そのような家となる背景には,その国や地方の気候,文化などと深い関わりがあるのだと改めて感じました。
みんな知りたい! ドクターイエローのひみつ (世の中への扉) [児童書]
みんな知りたい! ドクターイエローのひみつ (世の中への扉)
- 作者: 飯田 守
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/10/10
- メディア: 単行本
「世の中への扉」という小学生向きのノンフィクションシリーズの1冊。
ドクターイエローに関するデータや,著者の飯田さんがドクターイエローに乗車して取材したことなどが書かれています。
小学校3~4年生程度から読めると思いますが,興味があればもっと低い学年でも読むと思います。電車好きの子にはたまらない1冊。
ドクターどうしてドクターイエローはなかなか見ることができないのか,イエローがなぜ生まれたのか,ドクターイエローの仕事は何かを子どもにも分かりやすく説明しています。
特に,ドクターイエローの仕事について,くわしく書かれていて,東海道・山陽新幹線にとってはなくてはならない存在だというのがわかります。