SSブログ

早川書房,新訳版「ピーターラビットのおはなし」を読んで [絵本]


ピーターラビットのおはなし (絵本 ピーターラビット)

ピーターラビットのおはなし (絵本 ピーターラビット)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2022/03/25
  • メディア: 単行本



ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本)

ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本)

  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2019/11/01
  • メディア: 単行本

 雑な読書感想文のようなタイトルですみません。
 昭和生まれの古い私にとっては,ビアトリクス・ポター「ピーターラビットのおはなし」といえば,石井桃子さん訳の福音館書店のものなんですよ。

 それが,2022年3月に,新訳版として川上未映子さん訳で早川書房から出ているんです。

 私,詳しいことはわかりませんが,読み比べた感想を。

 やっぱり石井桃子さん訳のほうが好きだな~。

 好きか嫌いかだけで言ってしまうのはなんなんですが,子どもの頃から親しんできた文章で,品の良さを感じるんですよね。
 読みだしたら,本の中は別世界という感じで。

 これは個人的な好き嫌いの話なのであれなんですけど申し訳ない。

 ただ,翻訳の文に時代を感じるというのはあって,少し古めかしさも感じるので,今の子どもたちには川上未映子さん訳の文のほうが,しっくりくるのかもしれないなあとも感じているのです。

 ビアトリクス・ポターさんの綴った同じ情景の英語から,日本語に訳すときに,こんなにも訳者で文章が変わるんだなっていうのは,自分にとって発見です。

 あと,早川書房刊の新訳版の方には「肉のパイにされてしまったピーターのお父さん」など,英語版(私が持っているのは2002年版ですが)には載っている絵と,PUBLISHIER'S NOTE(2002年英語版)がそのまま翻訳されて載っています。
 それを見ながら,そうか早川書房の方は,2002年版の本家の英語版の新板に忠実に本を作っているのだと気づきました。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

おとうさんはうんてんし [絵本]


おとうさんはうんてんし (おとうさん・おかあさんのしごとシリーズ)

おとうさんはうんてんし (おとうさん・おかあさんのしごとシリーズ)

  • 出版社/メーカー: 佼成出版社
  • 発売日: 2012/09/21
  • メディア: 大型本

 約7分。
 小学校中学年くらいからでしょうか。

 「取材協力/京浜急行株式会社」と奥付にあるように,最初から最後まで京急1000形が出てくる絵本です。

 おとうさんはうんてんし。ぼくはおたんじょうびにうんてんしが使う時計を買ってもらった。
 おとうさんとのやくそくは2つ。
 1ねんせいになるまでに時計がよめるようになること。
 とけいをともだちにみせびらかさないこと。

   ☆

 この絵本のお父さんは京浜急行の運転士。
 はじめはお父さんの運転士の仕事について。それから,車掌さんや駅員,保線区の方々などの仕事もあって,電車は運転できるんだよ,ということが子どもにもわかりやすく描かれています。
 電車好きの子はじっくりと絵本の絵まで読み込むんじゃないでしょうか。
 また,定時運行よりも,お客様の安全がいちばん大切なんだよ,といった内容のお父さんの言葉に,うんうんとうなずいてしまいます。

 京浜急行全面協力。
 お父さんが仕事で運転する車両,今回は京急新1000形,1129F編成。
 お父さんは乗っていないけれど,駅や検車区(金沢?)でモデルになっているのは同じく京急1000形1301F編成。

 乗り物絵本をたくさん出されている鈴木まもるさんの絵は,温かくてどこかホッとしますけれど,モデルの列車を,正確かつ誠実に描かれていて,とても大好きです。
 見開き部分に,電車(京急新1000形)の各部の名称がかいてあるのもいい。
 京浜急行好きにもおすすめ。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

いちばんでんしゃのうんてんし [絵本]


いちばんでんしゃの うんてんし (福音館の科学シリーズ)

いちばんでんしゃの うんてんし (福音館の科学シリーズ)

  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2020/01/31
  • メディア: 単行本

 「いちばんでんしゃのしゃしょうさん」をかいた,竹村宣治さん・文,大友康夫さん・絵の組み合わせです。
 車掌に続いて,運転士の仕事が描かれています。

 本文(*注釈以外の部分)は10分程度で読めます。
 小学生,電車好きの子なら年長くらいでも楽しめると思います。

 中央線の一番電車の運転士さんのお仕事。

 運転士のなかむらてつやさんが,朝の一番電車の東京発高尾行き431Tに乗務します。
 そのための起きてからの流れが,事細かく描いてあります。
 絵本なので,正確なことは当然ながら,子どもにもわかりやすい簡潔な文体,電車の中の様々な設備や装置など。中央特快の基本的な知識はきちんと織り込まれていると思います。

 運転士の場合,定時運行が大事。喚呼に「ていじ」が何回もでてきます。13秒遅れを,次の駅の停車時間を短くして定時に戻すんだなあ,職人技だなあ。

 大友さんの正確で,なおかつ色鉛筆主体の優しい絵。
 電車は機械なんだけど,でも,それだけではないんだなあと感じます。

 子どもたちにとって,運転士のなかむらさんといっしょに一番電車に乗ったような満足感が感じられる本なんじゃないかなと思います。

 児童向けだけど,大人が読んでも大丈夫。



nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:

いちばんでんしゃのしゃしょうさん [絵本]


いちばんでんしゃの しゃしょうさん (福音館の科学シリーズ)

いちばんでんしゃの しゃしょうさん (福音館の科学シリーズ)

  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2020/01/31
  • メディア: 単行本

 三鷹車掌区で中央線の車掌をしていた竹村宣治さんの文。絵は大友康夫さん。 

 本文(*注釈以外の部分)はおよそ14分で読めます。
 年齢的には少し高めかな。小学校中学年くらい,電車好きなら,低学年でも読めると思います。

 中央線の一番電車の車掌さんの本。
 車掌さんの,やまなかすすむさんが前日に車掌区に入るところから始まります。乗務員向けの自動起床装置で起床するところも。

 三鷹発東京行きの一番電車。
 さまざまな点検などを経て,実際に乗務した車掌さんのお仕事が次々と出てきます。
 時計がそばに描いてあって,時間の流れもわかりやすいです。時間を追って,どんな事が起こるのかなあとわくわくします。
 ときには,イレギュラーなことも。普段見かけない車掌さんの仕事に,こんな事もやっているんだと驚かされます。

 とにかく正確な絵。そして電車なんだけれど色鉛筆主体の優しい絵。
 よくよく見ると,ペンでの線画も,機械的にまっすぐではなくて,人の手で描いた微妙な震えがあります。
 電車という無機質なものを,すごく柔らか描いている絵でいいなあと思います。
 児童向けだけれど,大人が読んでも読み応えがあるというか,車掌さんはこんな仕事もやっていたんだ~というのがよく分かります。

 注釈が多いので,普段あまり目の当たりにしないさまざまな機器類などについてもくわしくなれます。

 三鷹発東京行きから,折り返しの東京発三鷹行きまで。一緒に電車に乗っているような気分。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

とこちゃんはどこ [絵本]


とこちゃんはどこ

とこちゃんはどこ

  • 作者: 松岡 享子
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1970/07/01
  • メディア: 単行本

 4分半~とはあるけれど,3歳~
 実際には読み聞かせている子どもたちと,とこちゃんを探すので,もう少し長くかかるかも。
 とこちゃんは,
 「ミッケ」シリーズや「ウォーリーをさがせ!」シリーズが好きな子には,どこちゃん探しは簡単かもしれません。

 とても元気なとこちゃんは,よくとことこと,どこかに行ってしまいます。おばあちゃんからもらった赤い帽子を,かぶったとこちゃんはどこ?
 絵の中に隠れているとこちゃんを探すのですが,最初の方で余裕だと思っていても,だんだん絵が細かくなっていて人々が増えてきてどこにいるか探し出すだけで大変。でも,見つけたときはとっても喜んでいます。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

おふろだおふろだ [絵本]


おふろだ、おふろだ! (幼児絵本シリーズ)

おふろだ、おふろだ! (幼児絵本シリーズ)

  • 作者: 渡辺 茂男
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1986/09/25
  • メディア: 単行本

 約1分。2歳位の幼児から楽しめるのではないかと思います。
 わたなべしげおさん文,おおともやすおさん絵のくまくんシリーズの一冊。

 どろんこになったくまくんが,お父さんと一緒にお風呂に入る話。
 何のことはない日常だからこそ,子どもたちもくまくんに感情移入して見られるのではないかと思います。
 お父さんとお風呂に入って,ごしごし体を洗って,お風呂に浸かって十まで数えて。

 ふつうのお風呂が,なんとも幸せだなあと読んでいる大人は感じるのです。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

でんしゃは うたう [絵本]


でんしゃは うたう (幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

でんしゃは うたう (幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

  • 作者: 三宮 麻由子
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2009/04/10
  • メディア: ハードカバー

 幼児絵本,ふしぎなたねシリーズの一冊。

 3分くらいで読めます。対象は……3歳以上くらいでしょうか。

 「でんしゃはうたう」は,ほぼ電車の音,擬音のみです。
 入線し,ドアが開き,発車のベルが鳴り,心地よいジョイント音を刻みながら電車は走っていく……。その音が本当の電車のよう。

 また,絵もすごいです。最初と最後を除けば,ほぼほぼ先頭車両かぶりつきの前面展望。最初の方に引きで描かれている男の子の目線なのですね。
 線路と,周りの町並み。‪商店街とそこに来る人々,踏切で電車を待っている人,鉄橋,モノレール。最後の平面交差は圧巻。モノレールと立体交差してすぐだから高幡不動検車区と高幡不動駅でしょうか。
 鉄道好きにはたまらないです。鉄道好きの子にも。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

ピーターラビットの野帳 [絵本]


ピーターラビットの野帳(フィールドノート)

ピーターラビットの野帳(フィールドノート)

  • 作者: アイリーン ジェイ
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1999/11/30
  • メディア: 大型本


 ピーターラビットの作者として知られるビアトリクス・ポターですが、二十代はじめの頃から三十歳くらいまで、きのこ類や植物の化石などのスケッチをたくさん残し、アマチュア科学者として論文も書き上げています。残念ながら、当時のイギリスの女性差別もあり、ポターは科学者として生きることを断念しますが、これらのキノコ、菌類や化石のスケッチを元に、科学者としてのポターに迫った本です。
 ナショナルトラストの創設者の一人で、牧師でもあるハードウィック・ローンズリー師は、湖水地方の歴史的建造物、自然景観を守るために活動してきた人です。ローンズリー師の考えに共感し、ナショナルトラストのために鋭意活動していくポターですが、たくさんの菌類、化石類のスケッチをアーミットライブラリーに寄贈します。そのたくさんのキノココレクション、化石、植物、動物などのスケッチを紹介しながら、ポターの研究を追っています。対象をしっかりと観察し、緻密で美しいポターのスケッチは芸術的なばかりでなく、正確に描かれ科学的です。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

えんとつ町のプペル [絵本]


えんとつ町のプペル

えんとつ町のプペル

  • 作者: にしの あきひろ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2016/10/21
  • メディア: 単行本


 崖に囲まれた、誰も知らない町。たくさんの煙突から煙が吐き出され、煙だらけで空が見えないえんとつ町。
 そこに配達屋さんが落とした心臓。その回りにたくさんのゴミがくっついてゴミ人間となる。
 嫌われ者になったゴミ人間だが、そんなゴミ人間に普通に話しかけてくる少年がいた。ゴミ人間はプペルと名付けられて、その子と友達になるが……。

 お笑い芸人だけではなくマルチに活躍するキングコング西野亮廣さんの本。
 絵柄がとにかくきれい。えんとつ町の家や工場などの明かりが、本当に灯っているかのような絵。

 多分、人によってこれはすごいなと思うところが違うのではないでしょうか。私個人的には絵の色彩がきれいで、光と影のコントラストの美しい絵本だと思いました。

 大人のための絵本だと個人的には思います。

 よくよく奥付を見ると、とてもたくさんの人がこの絵本に関わっています。
 だからこそ手間をかけてこれだけのクオリティののものを作られたのだろうなと思います。

 ただ、この作品を、表紙を見る限り西野さん一人で作ったようにも受け取れます。これでいいものかと疑問に感じながら、次は「革命のファンファーレ」読みます。

nice!(1)  コメント(0) 

もうどうけんドリーナ [絵本]


もうどうけん ドリーナ (かがくのとも傑作集 わくわく・にんげん)

もうどうけん ドリーナ (かがくのとも傑作集 わくわく・にんげん)

  • 作者: 土田 ヒロミ
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1986/02/10
  • メディア: 単行本


 読み聞かせには年長~。約5分。
 ドリーナが盲導犬となって、パートナーの方と暮らすまでを分かりやすく写真で描いた絵本。

 ドリーナがパピーウォーカーの家で10か月間愛情をかけられて育ち、それから盲導犬の適性があるか確かめられ、盲導犬の訓練所で、小さな段差でも一旦止まる、盲導犬は通れても人が通れないところには行かないなど。
 また、パートナーとなるましまさんとの練習も重ね、ついに訓練所を卒業し、ましまさんとの暮らしが始まる。
 ましまさんの家族とも関わり、ましまさんの仕事にも一緒に行き、ましまさんも行きたいときにどこにでも行けるようになる。ましまさんの行動がさらに広がっていく。

 一頭の犬が盲導犬として働けるようになるまで、多くの人が関わっておりたくさんの訓練や苦労があることがわかった。
 それだけに、盲導犬とパートナーの人は欠けがえのない仲間になるんだなあと感じました。

 子どもが読んだら目が見えない方の苦労や、それでも社会で同じように暮らしていく仲間なのだなあと感じられるのではないか。


nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。