いちばんでんしゃのうんてんし [絵本]
「いちばんでんしゃのしゃしょうさん」をかいた,竹村宣治さん・文,大友康夫さん・絵の組み合わせです。
車掌に続いて,運転士の仕事が描かれています。
本文(*注釈以外の部分)は10分程度で読めます。
小学生,電車好きの子なら年長くらいでも楽しめると思います。
中央線の一番電車の運転士さんのお仕事。
運転士のなかむらてつやさんが,朝の一番電車の東京発高尾行き431Tに乗務します。
そのための起きてからの流れが,事細かく描いてあります。
絵本なので,正確なことは当然ながら,子どもにもわかりやすい簡潔な文体,電車の中の様々な設備や装置など。中央特快の基本的な知識はきちんと織り込まれていると思います。
運転士の場合,定時運行が大事。喚呼に「ていじ」が何回もでてきます。13秒遅れを,次の駅の停車時間を短くして定時に戻すんだなあ,職人技だなあ。
大友さんの正確で,なおかつ色鉛筆主体の優しい絵。
電車は機械なんだけど,でも,それだけではないんだなあと感じます。
子どもたちにとって,運転士のなかむらさんといっしょに一番電車に乗ったような満足感が感じられる本なんじゃないかなと思います。
児童向けだけど,大人が読んでも大丈夫。
いちばんでんしゃのしゃしょうさん [絵本]
いちばんでんしゃの しゃしょうさん (福音館の科学シリーズ)
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2020/01/31
- メディア: 単行本
三鷹車掌区で中央線の車掌をしていた竹村宣治さんの文。絵は大友康夫さん。
本文(*注釈以外の部分)はおよそ14分で読めます。
年齢的には少し高めかな。小学校中学年くらい,電車好きなら,低学年でも読めると思います。
中央線の一番電車の車掌さんの本。
車掌さんの,やまなかすすむさんが前日に車掌区に入るところから始まります。乗務員向けの自動起床装置で起床するところも。
三鷹発東京行きの一番電車。
さまざまな点検などを経て,実際に乗務した車掌さんのお仕事が次々と出てきます。
時計がそばに描いてあって,時間の流れもわかりやすいです。時間を追って,どんな事が起こるのかなあとわくわくします。
ときには,イレギュラーなことも。普段見かけない車掌さんの仕事に,こんな事もやっているんだと驚かされます。
とにかく正確な絵。そして電車なんだけれど色鉛筆主体の優しい絵。
よくよく見ると,ペンでの線画も,機械的にまっすぐではなくて,人の手で描いた微妙な震えがあります。
電車という無機質なものを,すごく柔らか描いている絵でいいなあと思います。
児童向けだけれど,大人が読んでも読み応えがあるというか,車掌さんはこんな仕事もやっていたんだ~というのがよく分かります。
注釈が多いので,普段あまり目の当たりにしないさまざまな機器類などについてもくわしくなれます。
三鷹発東京行きから,折り返しの東京発三鷹行きまで。一緒に電車に乗っているような気分。