鉄道まるわかり 001 京急電鉄のすべて [本]
鉄道まるわかり001,京急電鉄。
鉄道まるわかりシリーズのトップナンバーですよ!どうですかお客さん!
注:トップナンバーとは,鉄道車両の形式の最初につくられた1号機のことを,鉄道ファンの方はよくトップナンバーと呼び,崇め奉る傾向にある。
閑話休題。
「旅と鉄道」編集部編,京浜急行協力の,京浜急行をよく知らない方にも,全ページカラーでよくわかる京急本。巻頭,浦賀水道を背に走る京急2100型のカラー写真がめっちゃきれい。
赤い電車でおなじみの京急電鉄。赤い彗星京急電鉄。通常の3倍速い京急電鉄(嘘ですよ)。
鉄道まるわかりシリーズはライトな層の方にも,わかりやすいよと自信を持っておすすめできます。
いやぁ,私もライトな鉄道好きですから。〇〇鉄だと申し上げられるほど,鉄道を極めているわけではないのです。
京急の基本的な路線情報とか,京急の駅とか,京急の現役,引退した車両とか,京急という鉄道会社がどんなことに力を入れているのかとか,京急の強みとか。鉄道新参者にも判りやすいです。
刊行されたのが2018年11月なので,そのあとにダルマと呼ばれ親しまれていた800型が引退してしまいましたね。
京急道(てなものがあるか判らないけれど)の入り口に是非。
章立てはこちら。
第1章 京急電鉄の企業がわかる
第2章 京急電鉄の路線がわかる
第3章 京急電鉄の駅がわかる
第4章 京急電鉄の車両がわかる
第5章 京急電鉄の歴史がわかる
第6章 京急の魅力がもっとわかる
おまけの京急1201編成@神奈川駅
京急とファン大研究読本 赤い電車に魅せられて [本]
女子鉄アナウンサー,久野知美さんが,濃い京急ファンの方と対談したり,インタビューしたりした本。
久野さんもそうなんですが,この本のどのページからも熱すぎるほどの京急愛を感じます。
タモリ電車クラブでおなじみの岸田繁さん,廣田あいかさん,ダーリンハニー吉川正洋さん,六角精児さんと,『シン・ゴジラ』の監督・特技監督を務められた樋口真嗣さんときたら,もう,メンバーを見るだけて濃厚すぎて卒倒しそうです。
その他にも,模型好きが高じてジオラマ製作者になった人とか,京急の廃車車両をそのまま買って自社ビルに展示しまった人,京急のダイヤに詳しすぎる人とか,一般人でも京急愛が強い人のインタビューもあります。こちらも濃い。
京急の広報の大久保さんへのインタビューもありますよ。タモリ倶楽部にも出演なさってた(笑)。
その他,京急の運転手さんへのアンケート調査,南田さんと京急本社に眠る京急ファン垂涎のお宝を発掘に行く話とか,妄想鉄とか,あっ,ほとんどです。超良いです。
京急ファンには,☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆くらい。
個人的に,花月園駅からJR鶴見線の国道駅まで乗り換えができることを知ったのはこの本です。
読んだ後に行ってしまいました。
from 花月園前
to 国道
あの家に暮らす四人の女 [本]
阿佐ヶ谷駅から徒歩約20分。杉並区の善福寺川が蛇行するあたり。
そこに,女ばかり四人が暮らす家がある。
牧田家は庭付きの古い洋館。
台所はリフォームしたものの,それ以外は建てたときのまま,長い年月が経っている。
刺繍作家で,家でこじんまりと刺繍教室を開いている娘の佐知。
外で働いた経験はなく,自分で稼いだこともない「箱入り娘」のまま七十代を迎えた母の鶴代。
そこに,仕事はできるけれど男の影も形もない雪乃がひょんな事で転がり込んできて,その数カ月後にストーカーとなった元カレから逃げる形で雪乃の会社の後輩の多恵美が転がり込んできて。
奇妙な形での四人での暮らしと,庭の離れで先代のころから用心棒のように暮らしている山田老人。
日常の小さな出来事,喜び,憤り,悲しみ,落胆,ていねいに読ませてくれる本です。
全くちがうタイプの四人それぞれの人生というか,女の一生の縮図を見ているみたいです。
私個人的に一番共感できるのは佐知でしょうか。
ただ,後半,ものすごく物語が動きます。ネタバレになるので書きませんが。すごいです。(語彙力ナシ)
『細雪』谷崎潤一郎へのリスペクトありきで書かれたそうですが,その『細雪』はまだ読んだことがないので,これをきっかけに読んでみたくなりました。
攻めてるテレ東、愛されるテレ東: 「番外地」テレビ局の生存戦略 [本]
攻めてるテレ東、愛されるテレ東: 「番外地」テレビ局の生存戦略
- 作者: 太田 省一
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2019/10/31
- メディア: 単行本
大事件が起こったときに,他局ではニュース映像が延々と流されるなか,テレ東だけ,もともと予定していたアニメやドラマを放送しているとか。
他局と比べ,あんまり予算かかっていないように見えるけれどアイデア勝負ですっごく面白い番組があるとか。
素人に頼りすぎる番組作りをしているけれど,その素人さんがとても味があって,そのうち著名人になってしまうとか。
モヤッとテレビ東京に抱いているイメージがまさにそのとおりだったなあと読んで思いました。
また,首都圏では後発のテレビ局だったこともあり,人員的にも,予算的にもそうせざるを得ず,そこからアイデア勝負で,ニッチな分野を切り開いていくような番組作りになったのだと,きちんと説明を受けた気分でよみました。
テレ東の歴史的な部分も,放送されてきた様々な番組も,データとしてたくさん載っています。
タスキメシ(再読) [本]
こちらは,再読です。
4年近く前に読んでいますね。
100%純粋青春小説「風が強く吹いている」アニメ化をきっかけに駅伝沼にハマりましたが。
いや,駅伝そのものは毎年テレビで見ていたんですよ。
しみじみ見始めたのが,東洋大の柏原竜二さんが2年生のときの箱根駅伝から。いやあ,強かったですね~。
あとから,柏原さん1年のときの箱根をリアルタイムで見られなかったことを非常に残念に思いました。
強い。とにかく強い。
で,ご本人の人柄もいい。当時,あれだけオタクなのを公言していたランナーさんっていなかったんじゃないかと。
それで,正月の駅伝に合わせて,必ず三浦しをんさんの「風が強く吹いている」小説版も読んでいたのです。
ただ,アニメ化で,あの風強のキャラクターたちが動いて,喋って,美しい映像になって。
いやー沼りましたね~。
小説版も感情が大きすぎて,未だに感想が書けない。
閑話休題。
なので,沼る以前には,まあ,駅伝青春小説でいい話だけど,って軽く読んでいた程度だったのですね。
あ,あと,眞家や助川たちの神野向高校が茨城だったものですから,神宮橋という地名に,ああ,鹿嶋と潮来のとこのね,とか,藤宮のいる茨城の強豪校,水堀高校は,あの高校がモデルだなとか。
再読したら,いやー,眞家早馬,本当にしんどい。
高校2年のとき右膝を剥離骨折。半年走ることができない。3年の春夏のシーズン大会に出場することができなくなった。同学年の親友助川にも,ひとつ下の弟春馬にも,走りで置いていかれる焦り。
陸上から離れようかという思いがでてくる。
そんなとき,担任の稔のはからいで料理研究部の井坂都のところへ連れてこられる。
あまり戦力にならないながらも都の料理の手伝いをしているうちに,料理すること,食べること,そして走るための体をつくることが繋がっていく……。
って,風強のハイジさんじゃん!
ああっ,辛いしんどい尊い。
そういうわけで,再読したら以前にはわからなかったことが見えてきて,すっごく良かったという話でした。
「タスキメシ箱根」も近日読む予定。楽しみ。