もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら [本]
前書きには,「この本には『カップ焼きそばの作り方について』が書かれている。それ以上でもそれ以下でもない」とある。
それが,様々な文豪の文体で書かれているのである。この前書きすら,村上春樹の文体で書かれている。
ただただカップ焼きそばを作るだけなのに。村上春樹が書いたら。太宰治が書いたら。川端康成が書いたら。夏目漱石が書いたら。
もう,なんとも可笑しい。可笑しみがある。こんな文体で書きそうだなあと思える。
文体模写をされた文豪たちは,百にも及ぶ。太宰治,志賀直哉,芥川龍之介など,紛うことなき文豪から,ヒカキン,西野亮廣,ラッパーの詩集など,文豪とは言い難い人,迷惑メール,インスタグラムなど,そもそも文学とは言えないのではないかというものなど,数多の文体で,カップ焼きそばの作り方が書かれている。
オイラの心に響いてしまったのは,文豪とは言い難い方のヒカキンと,西野亮廣であった。ハハハ。めっちゃ言いそうなんだもん。
読んだらカップ焼きそばが食べたくなった。そして,又吉直樹風の「火ップやきそ花」に出てくる神谷が言っていた,かやくは麺の下に入れるを励行した。これだとかやくが蓋につかない。いいことを知った。ありがたい。
文筆系トークバラエティ ご本出しときますね [本]
オードリー若林正恭さんは、アメトーークの読書芸人の会にも何度か出られているように、読書をこよなく愛している。文庫本の解説や、帯などにも若林さんの名前が見られますが、その読書家の若林さんが数々の作家をゲストにトークした番組『ご本出しときますね?』を書籍化したもの。
作家さんに対して、堅いイメージを持っていたのですが、とても面白い人々だなあと感じました。
西加奈子さんのトークがめちゃめちゃ面白かったです。
『コンビニ人間』の村田沙耶香さんは、あれだけ売れても週三日コンビニのバイトをしていて、バイトの日の方が筆が進むとのこと。
ほかにも作家さん同士の関係だとか、小説を書くときのこととか、作家さんたちの姿の断片をみられたような気がしてよかったです。
個人的には未読の作家さんも多かったため、これをきっかけに読んでいきたいと思いました。