オリンピックを殺す日 [本]
オリンピックを殺す日
堂場瞬一さんの,スポーツを取り巻く小説。
東日スポーツの菅谷健人(すがやたける)は,世界レベルの新しい競技大会が計画されているらしいという噂を耳にする。
それはオリンピックを揺るがす存在となるらしい。
だが,その大会の内容を知っているアスリートや関係者たちは緘口令が敷かれているためか,皆口を噤む。
『ザ・ゲーム』その大会の意図とは一体何なのか……。
◇
アスリートの心情や立場,それにかかわるマスコミ,オリンピックのような世界大会の陰で蠢く多くのスポンサー企業など,スポーツ小説の面よりは社会派の小説だと感じました。
オリンピックでメダルが取れなかったことを謝る選手たち,成績によってはSNSでバッシングを与える視聴者,本来,スポーツの頂点を目指す大会のはずが,周りの雑音によって,アスリートたちが緊張を与えられている……。
アスリートにストレスを与えるメディアのあり方についても,一石を投じる小説だったのではないでしょうか。
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