ヨンケイ!! [本]
ヨンケイ(四継)とは,陸上競技の100×4リレーのこと。
100メートル走の記録を0.1秒縮めるのは,並大抵のことではないが,ヨンケイのリレーの技術次第ではもっと大きな秒差を縮めることができる。
ヨンケイはチームワークが重要な鍵を握っているのだ。
東京都島しょ部,伊豆諸島の大島にある,渚台高等学校。
高校の規模が小さく,慢性的な人数不足であった渚台高等学校に,転入生が。
陸上部に入り,短距離走の選手が4人となったので,顧問の佐藤先生からヨンケイをやらないかという提案があった。
だが,チームワークは最悪,タイムも当然遅いものだった。
小説は4つの章で構成され,それぞれヨンケイのメンバー4人の視点で物語が進んでいく。
一走,受川星哉(うけがわ せいや)
二走,雨夜莉推(あまや りお)
三走,脊尾照(せお あきら)
四走,朝月渡(あさつき わたり)
受川は,5歳年上の天才的な100の選手であった兄への複雑な思いから,リレー,特に一走であることについて反発していた。
雨夜は,中学校時代の友人との関係からスランプに陥り,自信もなくしている。
陸上の強豪校を辞め,渚台高校に転入してきた脊尾は,放課後の本練習こそ出てくるものの,陸上へのやる気をすっかり失っていた。
朝月は,受川の兄のいたチームに憧れていたが,理想のチームと現実との違いに苛立ちを隠せず,受川や脊尾に対してきつくあたっていた。
バラバラの4人が,陸上短距離で走ることや,様々なぶつかり合いからお互いを理解していき,徐々にチームとして成長していく……。
☆
陸上短距離の,100×4リレーの物語です。
男子高校生が,それぞれぶつかり合い,言い合いながら成長していく物語です。
対話し,それぞれの立場を理解していくにしたがって,リレー自体も上手くいくようになってくる,信頼関係ができていくプロセスがとても良きかな~と感じます。
それぞれが背負っているものを乗り越えて,チームとしてまとまっていく様子が,読んでいて自分はとても好感が持てました。
4人が4人とも,それぞれ主人公なんだなあ。
☆
あと,直接関係ないですが小説内に出てくる駒沢オリンピック公園の陸上競技場,ブルー・タータンです♪
いえ,風が強いアニメの東体大がブルー・タータンでした。もちろん,赤いタータントラックもあるのは知っていますが,青い方は国内だとまだ珍しいのね。
実際に競技をする人は色の違いでどうちがうんだろうと疑問に思ったけれど,二走の雨夜くんはブルータータンのほうが落ち着くから好きだそうな。
へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~。
ワイも,見ているだけだったら青のほうが好きかな。目に優しそうで。
コメント 0