チーム [本]
箱根駅伝予選会。城南大は12位で本戦出場を逃す。
その城南大の主将,浦大地に声をかけてきたのは,11位美浜大監督の吉池幸三。「俺と一緒に箱根へ行こう」。
吉池は卒業生からオリンピック選手を何人も輩出し名伯楽と言われながらも,美浜大を箱根駅伝への出場させることは叶わなかった。
昨年,10区でブレーキとなってしまった浦に,留学生を含めて1位となるほど異次元の能力を持ちながら,協調性の欠片もない東京体育大学の4年の山城悟。浦の高校のチームメイトだったが,陸上長距離では弱小校の港学院に進学し,走りへの意欲を失ってしまった4年門脇亮輔。
寄せ集め集団である学連選抜の挑戦が始まる……。
集められたはいいけれど,学連選抜で自分たちのチームではないという学生たちのモヤモヤした気持ち,素直に箱根に出られたと喜べない気持ちが実に痛い。
それぞれ,心に痛みを持って学連選抜に向き合う,その心理描写がすごく辛くあり,だけどそれが尊くもありました。
あんまり書くとネタバレするのでやめておきますが,日本ならではの特殊な競技である駅伝で,襷を繋ぐこと。チームとなること。走っているときは一人だけど,でも決して個人競技ではない……。もう,何だが尊いです。(語彙力ひどい)
著者の堂場瞬一さんは青山学院大学の国際政治経済学部卒業。協力に青山学院大学の原晋監督の名も。
原晋監督も,2008年の箱根駅伝で学連選抜を5位に入賞させた人。フィクションなんですが,実話をもとにしたのかなあって感じました。
最後に一言。京急蒲田は「チーム」ではまだ踏切です。
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