刑務所しか居場所がない人たち : 学校では教えてくれない、障害と犯罪の話 [本]
刑務所しか居場所がない人たち : 学校では教えてくれない、障害と犯罪の話
- 作者: 山本 譲司
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 2018/05/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
著者の山本譲司さんは,衆議院議員だったときに,秘書給与流用事件を起こして逮捕,
判決確定後,控訴をせずに服役することになったが,その刑期のなかで,刑務所では凶悪犯よりも知的障害者が多いことを知る。
障害があるために,社会で生きるすべを知らず,数百円程度の万引きや食い逃げ事件を起こして刑務所に入る。刑期を終えて刑務所を出ても,暮らす場所も収入もなく再び犯罪を起こして刑務所に帰ってくる。
そのような累犯障害者(というのは山本さんの造語である)を,出所後に支援し,一定の道筋をつけて社会で暮らしていけるようにするというのが山本さんが目指すあり方なのだと感じた。
受け入れる側の体制がまだ整っていないようにも感じているが,この本に出てくる「ふるさとの会」の活動で,改善されてきている途上なのだろう。
もともと中高生向けに書かれた文章なので,非常にわかりやすいし,これからどうしていくか若い人にこそ読んでいただきたい本だと思う。
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