最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常 [本]
藝大生の奥さんがいる,作家の二宮敦人さんの本。
奥さんは,東京藝大美術学部がの学生。その行動が実に面白い。筆者の予想の斜め上をいっています。
ノミを木槌で振り下ろし木彫りの陸亀を作る。
全身に和紙を糊で貼り,自分の全身像を取る。
父親に板をもらって,喜んでテーブルを作る。
それから,藝大の生協には,ふつうにガスマスクが売っていたり,自分自身でで使うノミを作ってたり,京都と奈良で仏像を泊まりがけで学習する勉強があったり。
入試の倍率は東大より高い。就職活動をして会社に入る人は少数派。卒業後,半分は行方不明。一般の人からは,とても不思議で興味の湧く東京藝大の人々について,スポットを当てて書かれています。
東京藝大の美術学部(美校)と音楽学部(音校)。同じ芸術を学んでいるのですが,その学生像はかなり違います。
また,美校,音校それぞれの学生さんに話を聞き,どうして藝大を志したのか,何を学んでいるのかを丁寧に聞き,本に書かれています。
多くの学生さんの語ることが面白いです。天才,奇才の集まり。
また,東京藝大の文化祭,藝祭をはじめとするイベントなどで,音校と美校の学生が交流して,新しいものがまた生まれているのですね。
藝大の取手キャンパスがあることは知っていました。けれども,先端芸術表現科や,大学院の一部(壁画・ガラス・グローバルアートプラクティス)の学科があり,ホームレスまでいる(笑)とは,ほとんど知らなかったですが,この本を読んだのをきっかけに,一般公開しているときに見に行ってみようかなと思いました。
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