タスキメシ [本]
陸上部長距離で、駅伝に取り組む選手たちの小説。
眞家早馬は、高校二年生の冬の県駅伝で力走するが、そのためなのか剥離骨折をし、陸上部の練習から長期離脱してしまう。そのため、陸上への意欲が薄れている。
そんな彼を見かねた担任の稔が、料理研究部の井坂都に引き合わせる。
都に習うかたちで早馬も料理を始める。美味しくて、長距離競技に役立つ料理を作り続けるうちに、早馬の気持ちも少しずつ変わっていく。
章ごとに早馬、弟の春馬、都、チームメイトの助川など、主人公が変わっていきます。そして、それぞれの立場から、陸上や料理を通じて物語が語られています。
また時系列も、高校の時、大学の時期と入り交じっています。
高校生ならではの傷つき、繊細な感覚が感じられます。また物語に出てくる料理がどれも美味しそうで、読むだけでもお腹いっぱいになりそう。
第一線に残っていける人、途中で陸上を離れていく人、当然のことなのですが、どちらの立場でも葛藤があるんだろうなと感じました。
この小説は完全にフイクションだとありますが、モデルになっている高校や大学を想像するのも面白いです。
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