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迷い迷って渋谷駅 日本一の「迷宮ターミナル」の謎を解く [本]


迷い迷って渋谷駅 日本一の「迷宮ターミナル」の謎を解く

迷い迷って渋谷駅 日本一の「迷宮ターミナル」の謎を解く

  • 作者: 田村 圭介
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/03/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


 渋谷といえば,現在は若者の街といわれている。その渋谷駅はJR山手線などをはじめ,4社9路線が乗り入れ,一日平均280万人が利用する大ターミナルである。。
 郊外の畑であったこの地に,1885年,日本鉄道によって初めて山手線の駅ができてから,さまざまな路線が乗り入れてくることによって渋谷駅は図らずも複雑なターミナル駅と化した。
 地上3階,地下5階の高低差のある構造。
 駅や路線,ターミナルビルなど計画的に広げられたものではなく,その時代時代でつぎはぎに作られ,より一層に迷宮化している。

 この渋谷駅の構造が複雑化してきた過程を,一つはそれぞれの路線が開業したり,路線の付け替えをしたり,地下化したりしてきたことを,時代を追って書かれている。
 また,空間的な広がりについても,もとは渋谷川と宇田川のつくった谷間であるこの渋谷の地に,川に沿って南北に山手線がつくられてから,その後東西方向に玉電,市電,さらに渋谷を始発とする東急東横線など,まさに迷宮のように複雑化していく様子が,平面図と東西方向を断面とする立面図でえがかれている。

 この本の第3フレームで書かれているが,渋谷駅は複雑な構造の中にも,2つのリングがあり,乗ってきた路線から人が入り,乗り換えていく路線へと人が出て行く。
 複雑な中にもそのリングのおかげで,渋谷駅を利用する一日平均280万人の人々をうまく導いているのだということが書かれている。

 渋谷駅体展で使われた,数々の渋谷駅の模型や,精巧に描かれた図面で,かなり複雑な渋谷駅の構造が理解しやすいように思う。
 この本が発行された2013年には,東急東横線の地下化が行われ副都心線との相互乗り入れとなり,その後もさらに駅の構造が変えられる工事が行われている。
 また,渋谷ヒカリエが東急文化会館の跡地に建てられ,今後は東急百貨店を解体し,渋谷駅ビルが高層ビルにされるそうである。

 渋谷駅は常に動いていて,そのパワーは計り知れない。
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