空飛ぶ広報室 [本]
自衛隊の広報室の物語。自衛隊の小説を書かせたら右に出るものはないくらい詳しい,有川浩さんの作品。
彼にとってはまったく落ち度のない交通事故で,ブルーインパルスのパイロットへの道を断たれた空井大祐二尉。
パイロットとしての資格がなくなった彼が移転したのは,防衛省,航空自衛隊,航空幕僚監部広報室。
そこで,広報としての仕事をスタートさせる。
子どものころからの念願が散った空井二尉の心情や,帝都テレビから取材として自衛隊に出入りするようになった稲葉リカの,濃やかな心の動きが感じられる。
様々な広報部の仕事を通じ空井二尉が成長していく話でもあり,気持ちよく読了。
最後,東日本大震災の後の松島基地に関するエピソードは,今まで有川さんが書いてきた自衛隊の数々の物語があったからこそ,誠実に自衛隊の方々のことを書こうと思われたのかと感じました。
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