シズコさん [本]
画家、エッセイストの佐野洋子さんの実母が介護が必要になり、介護施設に引き取ってからの日々の話。
幼い頃から佐野さんと実母は確執があり、見栄っ張りで華やかさを好む母親に馴染めなかった佐野さんが、少しずつ呆けていく母を見ながら心境が変わっていくのがよくわかります。
年老いていくことが苦しみに思えていたけれども、老いることで何かを超越して赤ん坊のようになっていく、そんな母を赦していく、感情のもつれがほどけていく感じは、さすが佐野さんの文章だなあと思いました。
この本が出版された当時、他の遺族が、ここには事実でないこともあると抗議したらしいので、佐野さんの主観によるところもあるのでしょう。
けれども一つのエッセイ作品として、すごいものであると感じます。
2013-05-17 14:49
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