死ぬ気まんまん [本]
絵本作家でもありエッセイストの佐野洋子さんの、乳癌が全身に転移してからのエッセイ。
余命が2年だと宣告されてからの、佐野さんの生き様が、何とも達観しているように思えます。戦後、満州から引き上げてくるときの体験とか、弟二人と兄がなくなったときの話とか、人が亡くなることが当たり前のように体験していた時代。命と金は惜しむなと生前言っていた父親の話。
諦めなのではない、武士の一分にも似た、誇りを持った死に方とでも言えばいいのでしょうか。佐野さんからはある種の清々しさを感じました。
佐野さんの絵本の作品と言えば「百万回生きたねこ」が有名だと思うのです。でも、オイラ個人的にはこどものとも年少版2007年5月号の「パンツのはきかた」(文は岸田今日子さん)が大好きで、次女みき(仮)と何回も繰り返し飽きずに読んでいました。出版されるのを待たずに岸田今日子さんが亡くなられたというのは、当時付録のリーフレットで知っていましたが、佐野さん自身は癌の転移の告知を受けられた頃だったというのは今回「死ぬ気まんまん」を読んで初めて知りました。
死期を知らされた後、人生の終わりの時間をどう過ごすのか、オイラも考えてしまいます。
2012-11-03 22:02
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