下流の宴 [本]
NHKのドラマ「下流の宴」にもなった同タイトルの原作小説。
福原由美子は、地方国立大卒、夫は早稲田大卒の気位の高い専業主婦。
期待を掛けて育てた息子の翔は中高一貫教育の高等部でドロップアウトし、二十歳の今は漫画喫茶でアルバイトしている、いわゆるプーである。その息子が、二歳年上でアルバイターの宮城珠緒と結婚するというのだから、怒り心頭である。由美子は相手と住む世界が違うのだからと反対するが、それなら医学部に入れば翔と結婚できますかと逆に珠緒を奮起させ、医学部の受験を決意させてしまう。
また翔の姉、可奈はお嬢様女子大生のころから玉の輿狙いで高学歴の男が集まる合コンやパーティーに参加し、虎視眈々と相手を品定めするが……。
格差社会だとか、勝ち組負け組だとか、不景気の波が貧乏人には容赦なく打ち付けてくる。福原家のように、少しでも良い生活をするために稼ごうと躍起になるのか、宮城家のように、お金がなくても身分相応の暮らしをするのか、どうあればよいのかなあなどとも考えた。
お金がなければどうにもならないが、そこまでして上流であることを目指す価値があるのかとも考えたり。とかくこの世は難しい。
翔のように、その日その日が楽しければそれでいいのか疑問に思いつつ、由美子のように珠緒の家族を見下す生き様はやっぱり気位ばかり高くて品性がないようにも思います。
難しいなあ。いろいろ考えるところが多いです。
流石、NHKドラマ化されるだけあって、しっかりとしたストーリーでした。って、素人のオイラに言われたくないですね。はい。
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