天地明察 [本]
江戸時代,第四代将軍家綱のころ。
渋川春海は,江戸城で将軍家綱の御前で上覧碁を打つ,碁打ち衆の一人であり,公務では,父の名を継いだ安井算哲という名も持っていたが碁より算術に興味があった。
渋谷,宮益坂の金王八幡宮には,算術を記した絵馬が多数奉納されている。
それには問題と出題者の名だけ記されたものがある。算術に自信のあるものはその遺題を解いていい。
そして,難解で春海が解答を出し得なかった問題を解き,正解したものがいる。和算の第一人者として後の世にも名を残した関孝和その人であった。
渋川春海が,日本全国を測量する北極出地という任務を与えられ,建部昌明と伊藤重孝とともに観測をして回るようになる。
戦国から太平に移りゆく江戸で,大老酒井忠清,会津藩主で家綱を補佐する保科正之など,様々な人々と関わりながら,改暦にかける渋川春海の一生がえがかれている。
いやあ。すごい。
読後感が表現しきれないが,とにかくすごい。
渋川春海といい,関孝和といい,世の中には頭のいい人がいたもんだなぁ。
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