トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか [本]
2009年7月16日、北海道大雪山系トムラウシ山で、未曾有の大量遭難事故が起こった。アミューズ社の山岳ツアーに参加した18名のうち8名が死亡した。
日本百名山にも数えられ、晴天時ならその素晴らしい眺望を堪能できるトムラウシ山。しかし、荒天で非常に厳しい状況に立たされ、次々と参加者が低体温症で亡くなっていく。
その事故を山岳ガイド、気象の専門家、医師、事故調査委員会に関わった方がそれぞれの視点で問題点を書かれている。
生存者へのインタビューから当日トムラウシ山の状況を伺い、また山岳ガイドの判断の過ちを考察している。
気象の専門家からは、低気圧の通過による気象遭難について、医師からまた多くの方の直接の死因である低体温症について多くのページを割いて書かれている。
出版社が山と渓谷社で、山岳に対する危機意識を強く訴える一方、登山を楽しむためには山に対する知識、山岳を登るためのテクニックや経験、自主的に安全対策をするという意識が必要なのだと書かれているように感じた。
この事故で山登りを敬遠してしまうのではなく、確かな対策をとって、人命最優先で登山を楽しんでほしいという願いが感じられる。
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