マドンナ・ヴェルデ [本]
五十代後半のごく普通の主婦みどり。早くに夫を亡くしたが実家が裕福だったため、一人娘の理恵と不自由なく暮らせた。今はその理恵も医者となり、東京の帝華大学の産婦人科にいる。
その理恵が久しぶりに帰省してきた。娘からの相談事とは、自分に代理母になってもらいたいということだった……。
「チーム・バチスタの栄光」で知られる海堂尊さんの本。現役の医師でもあり、医療の場面でのリアリティがすごい。
普通の主婦の母と、理知的だが冷静過ぎる感じの娘、日本ではまだ市民権を得ていない代理母を通じて、葛藤したり、分かち合えなかったりするみどりの気持ちが感じられます。
倫理的にまだ議論の残る代理母という制度に対しても、考えさせられました。子どもをほしい親の立場からも、倫理的に賛否両論あることも、法体制が整っていない現状も。
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