ショートショートドロップス [本]
新井素子さんが選んだ、女性作家のショートショート集。
原稿用紙四十枚くらいまでの短編よりもさらに短い作品が15編。
それぞれ珠玉の作品です。
個人的にいちばん最初の矢崎存美さんの『初恋』が印象的です。山崎ぶたぶたって!
若いころ、さんざん新井さんの本を読んだから知ってる。新井さんこの一編大好きだ。めっちゃ大好きだ。ついでに私にとっても、お気に入りになりました。
どのショートショートも読むのに時間はかからないし、ぐいぐい読み進められる話ばかりです。
なぜ迷う? 複雑怪奇な東京迷宮駅の秘密 [本]
なぜ迷う? 複雑怪奇な東京迷宮駅の秘密 (じっぴコンパクト新書)
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2017/07/07
- メディア: 新書
東京には、たくさんの人々が住んでいる。そして東京の職場や学校に通っている人もたくさんいる。
そんな多くの通勤・通学客が鉄道を利用し、駅を通り過ぎていく。
迷宮(ダンジョン)とでも言うべき巨大な駅は、いつどのような経緯でできたのか。
それを鉄道の工事の面、路線や地域の開発の面から書かれている。
最初に、鉄道の駅に出てくる島式ホーム、相対式ホームの用語の説明を書いてあるところも詳しい。
まったく知識がない人にもわかりやすいと思う。
ダンジョン駅は、そのでき方から分けて紹介されている。
次々につないでいった「切り貼り駅」
ホームが何層も重なった「立体構造駅」
シンプルなのに迷いやすい「井桁駅」
それぞれのタイプのダンジョン駅で何故迷いやすいのか実際の駅の構造をもとに紹介していてわかりやすい。
あまり乗らない駅は迷ってしまいがちだけど、読みながら、そうだよね、だからわかんなくなるのよね〜って諦めがついた(笑)
ダーリンハニー吉川の全国縦断鉄博巡り [本]
2009年に出版された,ダーリンハニー吉川さんの本。
日本全国の鉄道に関係している博物館を巡り,それぞれの鉄道博物館についてコメントや写真でくわしく解説しています。
本書に掲載されている鉄道博物館,北海道から沖縄まで,72館。
なかなかのボリュームです。
冒頭のミュージシャンでありながら鉄道好きが高じて,トレインシミュレーターを作ってしまった向谷実さんとの対談も,お互いの鉄道愛を感じます。とても良いです。
それから,吉川さんの「鉄道芸人ができるまで」も良いです。
子どもの頃の鉄道が好きで,跨線橋からロマンスカーを見ていた話や,小田急線で箱根湯本まで行ってきた話。
それから,思春期を迎え,急速に鉄道趣味を隠すようになってしまったこと。
コントのネタで,相方の長嶋さんが「鉄道マニアが結婚相談所にくる」というシチュエーションで,子どもの頃覚えた駅名がドバーッと出てきてしまったこと。
「タモリ倶楽部」で他の鉄道好き芸能人と繋がりができて,鉄道熱が再燃したこと。
吉川さんの半生がとても興味深かったです。
本編の鉄道博物館のボリュームがすごいのですが,2009年に出版されたものですので,当然,すでに閉館してしまったものもあるのです。
例えば,この本には秩父鉄道車両公園が三峰口駅構内にあると載っているのですが,すでに閉館しています。
残念ながら公園には,SLパレオエクスプレスのための転車台が残っているくらいでした。
もちろん現在も残っている鉄道博物館もあるので,ぜひとも行ってみたいところをチェックしておきます。「東武博物館」すでにリニューアルされているので行こうと思っています。
吉川さんが子どもの頃によくいらしていた「電車とバスの博物館」も行ってみたいですね。
早稲田大学競走部のおいしい寮めし [本]
2011年発行の、早稲田大学競走部の寮めしを紹介した本。
当時の監督、磯繁雄氏のもとで、管理栄養士として食の面からサポートをしたのが著者の福本健一さん。
おいしい寮めしをカラー写真で紹介。
レシピの他にも、栄養バランス、エネルギー量、ビタミン・ミネラル、一汁三菜の献立、など栄養学についての記述も豊富。
食のバランスの大切さを痛感します。
12年前の本なので、まだ大学生の大迫傑選手(長距離ブロック)やディーン元気選手(投擲ブロック)のコメントが写真つきで載っているのもいいです。若い!大学生!って感じ。
駒澤大学陸上競技部のスポーツ応援レシピ 駅伝ごはん [本]
2022〜2023年に大学三大駅伝で三冠を達成した駒澤大学。
その駒澤大学の陸上競技部、道環寮の寮ごはんのレシピを紹介した本。
駒澤大学陸上競技部の食事は、大八木監督の奥さんの大八木京子さんがすべて作られています。
骨を強化するレシピ、貧血を予防するレシピなど、選手たちの体を作るレシピがたくさん載っています。写真も見やすくてきれい。
個人的には、所々に挟まれるコラムが興味深かったです。
道環寮の1日と題して、スケジュールが写真入りで載っていたり、朝食のメニューがある1週間を例に載っていたりするなど、とても興味深いです。
寮母、栄養士として、大学生たちを食から支えている京子さん。品数を多く、栄養バランスもよく、食欲をそそる料理の数々には頭が下がります。
できるものから、うちの毎日の料理に取り入れていきたいと思いました。
感動の鉄道絶景 死ぬまでに一度は乗りたい [本]
旅鉄BOOKS 044 感動の鉄道絶景 死ぬまでに一度は乗りたい
- 出版社/メーカー: 天夢人
- 発売日: 2021/04/17
- メディア: 単行本
日本の鉄道から見える絶景、鉄道が入った絶景をまとめた本。オールカラーでとても美しい写真がたくさん載っています。
・編集部が選んだ絶景BEST10
・海の絶景
・大地の絶景
どの写真も美しいですが、島国の日本、やはり海の絶景が豊富だし、ぜひとも見に行きたいなあと感じました。
冒頭に挙げられていた本四備讃線や表紙の氷見線など、写真で見ているだけでも美しくて心が洗われます。
旅に出たくなる一冊。
コラムに乗っていた、鉄道旅あるあるも、クスッと笑えます。
カメラの設定をしているうちに電車が走り去ったなんて、プロでもそんなことがあるんですね。
いくつか行きたくなった場所をメモして、心のなかで鉄道旅の妄想を繰り広げています。
飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る 自衛隊が教えてくれた人生を明るく生き抜くコツ [本]
Twitterで有名な、元自衛官のぱやぱやくんの本。
自衛隊時代の経験を元に、明るく人生訓を紹介してくださってます。
「筋肉は裏切らないけど、関節は裏切るぞ」
ぱやぱやくんの上官の言葉。深いですね。(笑)
その他にも、自分の弱さを知ることとか、自分の不得意なことは、得意な人に頼る、普段からのコミュニケーションは大事、など、わかりやすい言葉で紹介されています。
人として、当たり前のことなんですけど、自衛隊味がついて、説得力が上がってます。
それから、自衛隊の中の人の慣習も紹介されていて、読み物としても面白いです。
タスキメシ 五輪 [本]
「タスキメシ」「タスキメシ 箱根」に続く,3冊目の続編。
2021年3月。
井坂都は,2021年の夏に開催される大規模国際スポーツイベント,すなわちオリンピックの選手村食堂でのアルバイトの面接に来ていた。
新型コロナウイルスの流行による緊急事態宣言とその後のまん延防止重点措置による時短営業のあおりを受けた。そのため都が勤めていた和食店の店主が3月で閉店を決める。
閉店後,飲食業は軒並み休業,閉店が多く,オリンピック選手村の食堂が最も条件が良かったのだ。ただ,コロナ禍で開催されるオリンピックには風当たりも強い。
その選手村食堂の面接で出会ったのが前年の箱根駅伝で10区を走った仙波千早であった。
◇
前作,前前作との繋がりのある3冊目ですので,「タスキメシ」「タスキメシ 箱根」は必読だと思う。
延期になった東京オリンピックの選手村食堂を舞台に,オリンピックを支える裏方の人々が小説で描かれている。
井坂都,箱根を走った後,競技は引退して食品会社に就職した仙波千早。
そのほか「タスキメシ 箱根」「タスキメシ」で登場してきた人々。
実際にあったオリンピックでの出来事が,作品内にエピソードとして出てきている。
コロナ禍での飲食業界の切実さも感じたし,そんな中で行われるオリンピックへの反発もあったし。
厳しい社会情勢の中,都たちのような市井の人々が懸命に頑張ってきた姿が描かれている。フィクションだが,オリンピックの裏方には,このような人がたくさんいたのだろうと思うと,名もなき人々たちに感謝。
ラクしてうまくいく生き方 ~自分を最優先にしながらちゃんと結果を出す100のコツ [本]
ラクしてうまくいく生き方 ~自分を最優先にしながらちゃんと結果を出す100のコツ
- 出版社/メーカー: きずな出版
- 発売日: 2021/05/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
『ラクしてうまくいく生き方』というタイトル通り,著者のひろゆきさんのゆるい感じが特徴的な,生き方の本。
ひろゆき(西村博之)さんは,2ちゃんねるの創始者として有名な方。
さぞかしお金も持っていて……というゲスい勘ぐりをしていたが,この本を読む限り,あんまり働かないし,必要最低限頑張ればいいやとゆるく生きていらっしゃる。
「ラクして,要領よく生きていけたらいいなあ」という人のための,ゆるい人生の指南書である。
2ページ見開きが一項目となり,たとえば,
「『自分ルール』を作りましょう」
「目標はとことん低くしときましょう」
など,生き方のヒントが端的にまとまっています。
ひろゆきさん自身がしゃかりきになって働きたいわけじゃないようで,どれを読んでもユルいです。読んでいて,ホッとするところが多いです。
著書の中で,がんばらないとか,ウソも方便とわりきるとか,実用的でなおかつユルいです。
気負わず,ありのままに生きたいなあという沿うんな人には人生の難所として非常にいいと思います。
反対に,好きな言葉は情熱です,とか,自分を乗り越えていくことに喜びを感じます,っていう人にはあんまり向かない気がします。
ワイには実にしっくり来ました。
90枚のイラストで 世界がわかる はじめての地政学 [本]
地政学という言葉を最近よく聞くようになった。
地政学というのは地理的要因と,世界の国や政治の動きを考える学問。
昨今のウクライナ情勢や中東情勢など,国の勢力や戦争にも関わりがある。国と国の関係を考える大切な学問である。
『初めての地政学』とあるように,地政学の入門書だ。
国を動物化したイラストがとても可愛くて親しみやすい。
日本は柴犬,アメリカはライオン,中国はパンダ,ロシアはホッキョクグマのようにその国を象徴する生き物の言動で,どのような行動をしている国なのかがわかる。
シーパワー,ランドパワーなどという言葉も初めて知った。
これからの社会情勢やそれぞれの国の思惑が,なるほどなあという感じで読むことができた。
世界のどの国も平和を希求しているはずだが,どの国にも,反映していこうという思惑がある。
地理的要因と,国際政治との関わりについて考えるいい機会になった。