京急とファン大研究読本 赤い電車に魅せられて [本]
女子鉄アナウンサー,久野知美さんが,濃い京急ファンの方と対談したり,インタビューしたりした本。
久野さんもそうなんですが,この本のどのページからも熱すぎるほどの京急愛を感じます。
タモリ電車クラブでおなじみの岸田繁さん,廣田あいかさん,ダーリンハニー吉川正洋さん,六角精児さんと,『シン・ゴジラ』の監督・特技監督を務められた樋口真嗣さんときたら,もう,メンバーを見るだけて濃厚すぎて卒倒しそうです。
その他にも,模型好きが高じてジオラマ製作者になった人とか,京急の廃車車両をそのまま買って自社ビルに展示しまった人,京急のダイヤに詳しすぎる人とか,一般人でも京急愛が強い人のインタビューもあります。こちらも濃い。
京急の広報の大久保さんへのインタビューもありますよ。タモリ倶楽部にも出演なさってた(笑)。
その他,京急の運転手さんへのアンケート調査,南田さんと京急本社に眠る京急ファン垂涎のお宝を発掘に行く話とか,妄想鉄とか,あっ,ほとんどです。超良いです。
京急ファンには,☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆くらい。
個人的に,花月園駅からJR鶴見線の国道駅まで乗り換えができることを知ったのはこの本です。
読んだ後に行ってしまいました。
from 花月園前
to 国道
あの家に暮らす四人の女 [本]
阿佐ヶ谷駅から徒歩約20分。杉並区の善福寺川が蛇行するあたり。
そこに,女ばかり四人が暮らす家がある。
牧田家は庭付きの古い洋館。
台所はリフォームしたものの,それ以外は建てたときのまま,長い年月が経っている。
刺繍作家で,家でこじんまりと刺繍教室を開いている娘の佐知。
外で働いた経験はなく,自分で稼いだこともない「箱入り娘」のまま七十代を迎えた母の鶴代。
そこに,仕事はできるけれど男の影も形もない雪乃がひょんな事で転がり込んできて,その数カ月後にストーカーとなった元カレから逃げる形で雪乃の会社の後輩の多恵美が転がり込んできて。
奇妙な形での四人での暮らしと,庭の離れで先代のころから用心棒のように暮らしている山田老人。
日常の小さな出来事,喜び,憤り,悲しみ,落胆,ていねいに読ませてくれる本です。
全くちがうタイプの四人それぞれの人生というか,女の一生の縮図を見ているみたいです。
私個人的に一番共感できるのは佐知でしょうか。
ただ,後半,ものすごく物語が動きます。ネタバレになるので書きませんが。すごいです。(語彙力ナシ)
『細雪』谷崎潤一郎へのリスペクトありきで書かれたそうですが,その『細雪』はまだ読んだことがないので,これをきっかけに読んでみたくなりました。