もじもじもじ鉄 [本]
駅名標や駅構内案内図などの鉄道の文字デザインについて詳しくかかれた「もじ鉄」の石川祐基さんによる、鉄道文字本。
鉄道文字好き、すなわち「もじ鉄」の石川さんが、もじ鉄的にエモい鉄道会社のデザインを担当したクリエイターにインタビューした「もしもし教えて!!中の人」。
全国の地下鉄の駅名標や駅構内サインを特集した「どれどれ比べて!!地下鉄サイン」。
モリサワ、SCREEN、イワタ、ダイナフォントの4社のフォントメーカーに分けて、駅名標や駅構内サインを集めた「これこれ調べて!!フォントメーカー別駅名標図鑑」。
どれも、駅名票、駅構内サインに並々ならぬ敬意と愛情を注いだ文と写真。
まさにもじ鉄。
個人的には、オイラも京急好きなので京急のデザインをなさったi Design inc.の方へのインタビューが面白かったです。
それから、徐々に新ゴに置き換えられつつあるのですが、京急だけのオリジナル書体とその見本。なんかええもん見せていただいたと感激しております。
これの書体見本な。現在は金沢文庫駅も新ゴに置き換えられたらしいけど。
これ読んで、オイラもモリサワの「新ゴ B」がほしくなりました。何に使うかは謎ですが。そして結構高いんだよね。モリサワフォント(笑)。
ぐるぐる♡博物館 [本]
三浦しをんさんが,日本のいろいろな博物館を見に行き,それをレポートした本。
10の博物館と,おまけとして3館について紹介。
博物館というと,お堅いイメージもあるが,お堅いものだけでなく,面白いもの,ゆるいもの,ニッチなもの,地元の人達とのふれあいも感じられるものと様々である。
それが,三浦さんの文章でとても面白くなっている。
上野の国立科学博物館は,オイラもわりと行く博物館だが,猿人やフローレス原人などのくだりは,見てはいたけれどそこまで細かい知識として知らなかったのである。
また石ノ森萬画館は,この本を読んでぜひとも行きたくなった。
まず宮城県石巻市まで行くのがオイラにとってハードルが高いのだが,宮城に行くことがあったらぜひともルートに入れたい。
箱根登山鉄道125年のあゆみ (キャンブックス) [本]
JTBのキャンブックスシリーズの1冊。
箱根登山鉄道は,箱根観光の際にぜひとも活用したい本格的な山岳鉄道路線である。
箱根登山鉄道の前身,小田原馬車鉄道が国府津-小田原-湯元間を開業させたのは明治21年(1888年)。この本が発行された平成25年(2013年)は,それから125年にあたる。
それまでの小田原馬車鉄道,小田原電気鉄道,箱根登山鉄道の歴史を,多くの写真や図をもとに詳細に記述された本。
鉄道の写真も豊富だし,ポスターやきっぷ,歴史的な資料もたくさん載っている。
歴代の車両も写真の残っているものはほぼ網羅されている。
チキ1形から,車両の鋼体化・複電圧化などの改造を経てモハ1型になるなど,車歴の表や,今までの車両の図面もある。
ラックレール(歯軌条式鉄道)を使わない粘着式の鉄道では最高の勾配80‰(パーミル)や半径30mの急な曲線,3か所のスイッチバックなど,天下の険を登るべく,山岳鉄道としての技術が集められている。
それから,軌間の違う小田急線との相互乗り入れのため,三線軌条があるなど,鉄道好きにはたまらない路線だが,微に入り細に入り記載されていると思う。
個人的に,細かいスペック表などは読み飛ばしてしまったところもあるけれど,綿密に調べたいときにはとても役に立つと思う。
個人的に,箱根登山鉄道の車両について調べたいと思っていただけなのだけれど,写真と資料がとても充実していてとてもいいと感じた。
アンマーとぼくら [本]
有川浩さん二連続。
アンマーというのは沖縄の言葉でお母さんという意味。
リョウのお母さんが亡くなった後、人間として子供っぽくてしょうがない父親が、再婚した。リョウはまだお母さんを亡くした悲しみから立ち上がれないのに。
新しいおかあさんの晴子さんはいい人だ。だけど複雑な思いも。
進学を期に沖縄から東京に出て、就職も東京で。ほとんど帰省らしい帰省もしなかったリョウが三十二歳、沖縄のおかあさんのところに帰った三日間の話。
有川さんってなんて人の心の柔らかいところをついてくるんだろう。
はじめは反発していたリョウと、そのリョウの気持ちを受け入れる晴子さん。
超絶ざっくり言うと、家族愛なんでしょう。
沖縄の風景もあり、自然の広大な温かさ。それと時おり見せる厳しさ。そんな情景が主人公の心情と重なって。
うああああ。オイラ涙が止まりません。オイラのなかにこんなに水分があったとは。
人前では読めません。
旅猫リポート [本]
福士蒼汰さん主演の映画の原作本。
主人公、宮脇悟は、ある事情から飼い猫のナナを手放さなければならなくなる。
ナナを安心して任せられる飼い主を見つけるべく、サトルとナナは銀色のワゴンに乗って旅をするのだが……。
語彙力がないですが、サトルと、その友人たちの関係や心の動きが、まあ染みるほどに伝わってきます。
それぞれ事情を持っていて、切なく、悲しみもあるなかの関わりというか、ああ、サトルはいいやつだ。
あれ、オイラ何でこんなに泣いているんだろう。こんなにも心揺さぶられるって。
不快ではない。むしろ心地よい思いなのですが、人前では読めないです。