一〇五度 [本]
2018年度の青少年読書感想文全国コンクールの、中学生の課題図書。
都内の中高一貫校に編入してきた大木戸真。はじめての挨拶でイスに興味があると思わず言ってしまう。
真が昼休みに学校図書館で『イスのデザインミュージアム』という本を見ていると、制服のスラックスをはいた女子に声をかけられる。その早川梨々もイスを設計図から形にするモデラーを目指していた。
意気投合した二人は「全国学生チェアデザインコンペ」に挑戦するが……。
編入そうそう「イス男」と陰で言われ変わり者だと思われる真。女子なのに制服をスカートでなくてスラックスをはき、スラックス早川、略してスラカワと言われる梨々。
学校のなかで浮いても臆せず堂々としている梨々の姿に、強さを感じる。
また、それぞれ親の反対を受けながらもイスのデザインの道に進みたいと思う気持ち。
中学生が、時々くじけながらも夢を追いかける姿にいいなと思う。
多分とっくにオイラが失ってしまったものだから。
著者自身もプロダクトデザイナーとして活躍されている方です。専門家からデザインとは何か、この道を職業にしていく覚悟のようなものをこの物語に盛り込まれたように感じます。
育てる 楽しむ 癒しの「苔ボトル」 [図鑑]
最近、苔ガールも増えてきているようで。苔、蘚、合わせて蘚苔(せんたい)類ともコケ植物ともいいますが、苔をボトルにいれたり箱庭などにしたりして観賞して楽しむ、ガイドブック。
この本では「苔ボトル」といっていますが、ガラスの瓶や鉢に培養土、苔、流木などの飾りをいれ眺め楽しむ本です。
とにかく苔と苔ボトルの写真がきれい。苔の育て方や苔ボトルの管理などこれから苔を育てようという人には分かりやすいガイドブック。なおかつ写真を眺めているだけでも、ある意味写真集とみてもいいのではないかというくらい、苔の写真がきれいです。
また、日本に自生する苔図鑑がまたきれい。苔の写真の緑が目に鮮やか。
家でクマムシさんを採取するために取ってきたギンゴケはもっと茶色に近かったです。あと、以前にミニ苔庭として作っていたスナゴケも、もっと茶色かったです。これはオイラがほったらかしにしてしまったからか。
いや、それにしてもコケのもふもふって癒されます。スギゴケ系かたゼニゴケ系のどちらかかといえば、オイラは断然スギゴケ系なのです。