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チームII [本]


チームII (実業之日本社文庫)

チームII (実業之日本社文庫)

  • 作者: 堂場 瞬一
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2015/10/03
  • メディア: 文庫

 「チーム」「ヒート」の登場人物たちがこの小説でも登場。
 堂場瞬一さんの,陸上長距離シリーズ。

 「日本マラソン界の至宝」と言われ「ベルリンマラソン」「東海道マラソン」で自身の持つ日本新記録を破ってきた山城悟。
 選手生活をしている中で,怪我にはほとんど縁のなかった山城だが,左膝半月板損傷で長期の離脱を余儀なくされる。さらに,所属チームの解散が取り沙汰され,山城の居場所がなくなり,引退も考えるようになる。
 浦大地を始めとする,かつての学連選抜チームが「チーム山城」を立ち上げサポートするというが……。

 また,浦は怪我にも何度も悩まされ,引退を決意する。だが,引退を決めたのとほぼ同時期に母校の城南大学の陸上競技部の監督就任を要請され,それを受けることにした。
 監督就任後,初めての箱根駅伝予選会で,11位。城南大の箱根本戦出場は成らなかった。だが11位となったことで,浦に学生連合チームの監督が回ってきた。

 あのときの学連選抜とは,チームの位置づけも,選手の能力も,モチベーションも違う中でどうやって導いていくのか。監督として駆け出しの浦には,まだ想像もつかなかった……。

 山城,浦だけでなく「チーム」で学連選抜だった門脇や朝倉,城南大陸上部の主務だった青木,それから「ヒート」の「東海道マラソン」でペースメーカーだった甲本。それぞれの登場人物が出てくるたび,ああっとなります(笑)。

 長距離を走るということ。それぞれにとっての人生なんだなあと。
 山城のように,常に日本のトップを走っていたもの。浦のように怪我に悩まされ,実業団ではいい成績を挙げられないまま引退するもの。門脇のように,高校の指導者として陸上に関わっていくもの。
 走るという行為はそれぞれのあり方で,それぞれの人生で。

 うまく言葉に出来ないですけど,尊いです。

 レースでのそれぞれの心情の描き方が,本当にすごくて。
 何度でも読みたいです。


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