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「ピーターラビット」の丘から―ビアトリクス・ポター [児童書]


「ピーターラビット」の丘から―ビアトリクス・ポター (名作を生んだ作家の伝記)

「ピーターラビット」の丘から―ビアトリクス・ポター (名作を生んだ作家の伝記)

  • 作者: スピーカー・ユアン マーガレット
  • 出版社/メーカー: 文溪堂
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 単行本


 文溪堂から出版されている「名作を生んだ作家の伝記シリーズ-3」

 表紙の挿画が宇野亜喜良です。すごく贅沢。でも、ピーターラビットだと宇野さんらしさがほとんど出てないのが残念。同じシリーズの他の巻はバリバリ宇野亜喜良です。

 原著
 "WHO WROTE THAT?:BEATRIX POTTER"
 by Margaret Speaker-Yuan
 Copyright 2006 by Chelsea House Publications


 子ども向けの伝記です。対象は特に本に書かれてはいなかったのですが、小学校高学年以上でしょうか。イギリスのヴィクトリア時代に生きたポターの話なので、今の日本の子どもが読むと、どうしても注釈に頼らなければならず、場合によっては本の内容そのものよりもその注釈を追うことで終わってしまうかも知れません。
 ピーターラビットの本を読んでいない子がこの本を読むとは余り思えないのですが、そんな子でもポターの人生がどんなだったのかは一通り分かると思います。

 ポター自身については、好意的に書かれており、子ども時代に飼っていたハンカ・マンカやベンジャミン・バウンサーの話、家庭教師ミス・ハモンドとの話など、子ども時代についても丁寧に書かれているように思います。
 両親から放っておかれた子ども時代ですが、本人は良かったと思っていたことを文献を引用して書かれていました。そのほかにも、ポターが十代後半から二十代に書いた暗号日記からの引用も多く、ポター自身の言葉も多く載っています。

 湖水地方に避暑に行くようになり、やがてそこに魅せられてピーターラビットの作品世界を作り上げていくこと、2番目の家庭教師の息子、ノエル・ムーアに書いた手紙のおはなしがやがて本になっていくこと、どの出版社にも断られやがて自費出版する様子など、分かりやすく書かれています。

 晩年のウォーン社との確執だとか、絵本の出版をしなくなっていく過程の記述は、やや少なくなっているように思います。
 晩年、頑固になっていった部分の記述は余り多くないかも知れません。美談だけというわけではないのですが、ハードウィック種の羊の飼育に力を注いだり、湖水地方の農地保存の活動をしたり、ガールガイド(ガールスカウト)のキャンプ地を提供したり、社会のために貢献した内容が書かれています。
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